不登校・引きこもりからの大学進学塾

子の自立は「親の夢」であり、「子の義務」である

自立を蔑ろにすると、子はいつまでも引きこもります。

 ふと改めてカレンダーを見ると、もう2022年。うちの「子」も、今年を終えれば、とうとう自立へ向かって動き出します。最初はどうなることかと思いましたが、過ぎ去ってみれば速いもの。生活環境はバラバラですが、経済基盤はしっかりしているので、その点は安心。後は、変な犯罪に巻き込まれなければ十分です。

 私の個人的な性格もあってか、不登校・引きこもり関係無く、親御さん方と話す機会が多いのですが、大体どの家庭でも共通しているのが、「別に大金持ちにならなくても良いし、多少の失敗はしても構わないから、人様に迷惑をかけず、自分のことは自分で出来る人間になって欲しい」という希望。普通の良識的な親御さんなら、大体どの家庭でも意見は同じで、私も全く同意見です。

 私は、自立とはつまるところ「誠意」だと思っています。皆が皆、それぞれの人生をそれぞれで楽しみたい。しかし、誰かから依存されている状況では、それも困難です。従って、相手のことを尊重するなら、自分の世話は自分で行い、他者には迷惑をかけない。何らかのトラブルで助力を頼むのは良いにしても、あくまで一時的なものに留める。これこそ、自由主義が普遍化した現代における、他者への最高の配慮であり、優しさです。その結果、相互共助によってセーフティネットは維持しながらも、お互いを尊重した安定的生活が生まれるわけですから、これほど素晴らしいこともありません。

 無論、これは親子であっても同じことです。10代なら、親へ依存しないと生活出来ない部分もあるでしょう。20代でも、高等教育を志向するなら、それもまた許されて然るべき時代です。しかし、それ以上の依存は、ただの不誠実。どのような理由があろうと、期日が来たら、親元から離れ、自分の足で立ってこそ、精神的にも経済的に自立した、一人前の人間と言えます。

 CARPE・FIDEMでは、自立を最も大切な目標とし、そのために必要な活動を支援と位置づけていますが、今後もこの姿勢は変わることは無いでしょう。

 親も子も、互いの人格を尊重して、自身の自立を大切にして欲しいと思います。

“子の自立は「親の夢」であり、「子の義務」である” への4件のフィードバック

  1. りべらーる より:

    ちょっと意外でしたね。
    私は、親の使命(義務というより使命という言葉がぴったりかと思ったので)が「子を自立させること」と思っていました。
    子供が、自立しよう!と考えるようになるために、親に依存することが許される期間に環境や教育を施してあげられるのが良い親なのかもしれません。

    老子の言葉に「授人以魚 不如授人以漁」がありますが、
    魚をあげるより漁の仕方を教える方が自立を促すための親の使命なのではと思います

    • CARPE・FIDEM より:

      >りべらーるさん
       
       はじめまして。CARPE・FIDEM代表の大村です。コメントありがとうございます。
       
      >私は、親の使命(義務というより使命という言葉がぴったりかと思ったので)が「子を自立させること」と思っていました。
       
       勿論、仰る通りその側面もありますから、否定するものではありません。
       
       ただ、「自立は本来主体的に行うものであり、第三者の指示で行うものではない」というのが、私の個人的な考えです。これは、「自由に生きること」がほぼ前提となっている大半の先進国においては、他者の自由を侵害しないためにも、自身の自立が、「天賦人権」ならぬ「天賦義務」化しつつあると認識しているためです。
       
       親の使命は、「子を自立させること」よりも、「子が主体的に自立を当然のものと感じられるよう、幼少期から指導すること」だと考えます。「させる」のニュアンスを変え、方法論を述べただけですが、子の側での感じ方は変わってくるかも知れません。
       
       よって、私も、
       
      >子供が、自立しよう!と考えるようになるために、親に依存することが許される期間に環境や教育を施してあげられるのが良い親なのかもしれません。
       
      のご意見には大賛成です。
       
      >老子の言葉に「授人以魚 不如授人以漁」がありますが、
      >魚をあげるより漁の仕方を教える方が自立を促すための親の使命なのではと思います
       
       同様のことを、私も両親から言われて育てられました。そして、後世に対しても、全く同じことを行っています。優れた歴史は、繰り返さなくてはなりません。

      • りべらーる より:

        代表自らコメントしていただき、ありがとうございます。
        >「子が主体的に自立を当然のものと感じられるよう、幼少期から指導すること」
        自分の中でも「自立させる」という表現は少し引っ掛かっていたのですが、
        この方がしっくりくる表現ですね。胸のつかえがとれました。

        「授人以魚 不如授人以漁」→すみません、老子の言葉である確認が取れなかったので、出典部分だけは取り消させてください。もちろん、この文意には私も大賛成です。

        引きこもりについて調べていた時に貴サイトを見つけ、国や自治体をドラえもんのように考えているような団体や識者()もいる中、ここまでストレートに言ってくれる団体もあるんだなあと(良い意味で)驚きました。
        今後も興味深く読ませてください。

        • CARPE・FIDEM より:

          >りべらーるさん

           ご返信ありがとうございます。大村です。
           
          >代表自らコメントしていただき、ありがとうございます。
           
           いえ、会社の顧問役から「対外広報を疎かにするな。失礼だろう」とお叱りを受けまして(笑)。私自身は、大した者でもありません。お気になさらずに。
           
          >すみません、老子の言葉である確認が取れなかったので、出典部分だけは取り消させてください。
           
           承りました。見たところ、間違ってなさそうですが。
           
          >国や自治体をドラえもんのように考えているような団体や識者()もいる中、ここまでストレートに言ってくれる団体もあるんだなあと(良い意味で)驚きました。
           
           私は現場を見ているので、その酷さに辟易しています。嘘を言ってでも補助金を得ようとする不誠実な団体や識者()に対しては、今後も情報公開を続けようと思います。まあ、刺されない程度にですが。
           
           逆に、私も間違えることがあると思いますので、過ちはいつでも厳しくご指摘下さい。

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