不登校・引きこもりからの大学進学塾

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千葉合宿1日目(トイレ~杭抜き)

映画「で、トイレどこですか?」

 家の周囲をグルグル回りながら、チェックを終えた映画君と長靴君が戻ってきます。

E「向かって左側の廊下奥。途中の廊下は2人以上で乗るなよ。床板が折れて落下するから」

映画「……排泄さえも安心して出来んとは」

長靴「……」

ファ「でも、ここのトイレ臭くないですね。ぼっとんなのに」

E「全てを飲み込む深淵の闇を恐れて、誰も使わないからのう。臭くなりようがない」

野球「虫来ないなら何でもいい」

 虫が嫌いな野球君も含め、皆トイレに興味津々です。

E「まあ、そんなことより、そこの3人は、畑を潰してくれ。今回はコペン君も来て、車が多いから、そこを潰して車両スペースを作らないと。ファーブル君は階段作りな。縁側に上がりにくいから、大工作業をヨロシク」

全員「うい~」

1時間後~

ファ「出来ました!」

E「お。これはなかなか」

ファ「不安定ですけど、とりあえずはいけるでしょう」

E「うむ、上出来じゃ」

 日曜大工を進めるファーブル君の一方、畑組は苦戦中です。

映画「ダメだ~! この杭は抜けん」

長靴「これ、土の中でコンクリでくっついてないか?」

野球「そこで真打ち。僕のソフトバンクホークス的フルスイングですよ!」

 納屋から持ってきた鉄製の斧を振りまわりながら、野球君が笑顔でやって来ます。

E「あ、ちょっと待て! その斧は把手がボロくなっ……」

野球「オリャア!!」

 快音と同時に、付け根から砕けて地面に刺さる斧。

映画「っぶね!!」

長靴「方向考えろよ!」

野球「うわ~。マジで砕けましたわ~」

E「言わんこっちゃない。古い農機具だからな。後でコペン君に修理して貰おう。まあ、責任もって、三人でその杭は抜いておけよ」

三人「うい~」

1時間後~

野球「せいや!」

長靴「ほいや!」

映画「あいや!」

野球「せいや!」

長靴「ほいや!」

映画「あいや!」

E「……何やってんだ、あいつら」

ファ「三方向から杭を殴りつけると、ジワジワ抜けて来るらしいんですよ」

E「……脳筋やな」

野球「せいや!」

長靴「ほいや!」

映画「あいや!」

野球「せいや!」

長靴「ほいや!」

映画「あいや!」

1時間後~

野球「! 今動いた?」

長靴「いけるか!?」

映画「ここは私にお任せを!」

 スゴい顔で杭を引き抜く映画君。

映画「んが~~!!!」

野球「やれ! いけ!」

長靴「後少し!」

映画「!!!」

長靴「やった!」

野球「いったか!」

映画「取ったど~!!!」

 「父親達の星条旗」のようなポーズで杭を引き抜いて、歓喜に打ち震える三人。

E「錆びた杭一本でここまで盛り上がれるのは素晴らしいね……」

ファ「生産性限りなくゼロ……」

 万歳三唱の中、後発のキャラバンが到着します。

三人「バンザーイ! バンザーイ!」

ジギング「??? こいつら何やってんだ?」

ネトゲ「何か嬉しそうだね……」

廃墟「……」

富山「……」

スーパードライ「……」

 廃墟さんと富山さん、スーパードライさん女子三名の生ぬるい視線を浴びながら、男達の戦いは幕を閉じたのでありました。

千葉合宿1日目(古民家到着まで)

最終的に参加者総数13名となった今回の千葉合宿は、早朝出発して先に掃除を済ませておくチームと、後から重い荷物をまとめて持ってくる輸送チームの2つに分かれています。私の担当は早朝組。Eco、野球君、映画君、ファーブル君、長靴君の5人で先行します。

E「気持ち悪くなったら言えよ~」

映画「最近トイレ近いんで、ゆりかもめで降ろして下さい」

ファ「うみほたるじゃないですか?」

長靴「……」

野球「腹減った。ファミチキ食いたい。でも、最近ファミチキ高い」

何とも、統一性の無いメンバーでスタートです。

道中、激しく尿意と戦う映画君を、首都高で左右に振り回し、悶絶させながら、海ほたるを越え、車は一路千葉大陸へ。

E「諸君、文明空間は終わりやで? ここからは野生動物が支配する、非文明空間や!」

映画「良いですね~。これで、心置きなく立ちション野ションが出来ますわ」

野球「文明空間は、法と人々の目が厳しいからね」

ファ「古民家のトイレは文明化されてますか?」

E「いや、場合によっては、立ちションの方がお薦めかもな」

長靴「……」

途中でキョンや雉と遭遇しながら、一行は8時半に古民家へ到着。

E「さあ、着いたぞ諸君! これこそ、我らがスイートホームよ!!」

全員「うおー!」

映画「聞きしに勝るボロっぷりですね~」

野球「虫! 虫が出そうだ! 虫コナーズ買おう!」

ファ「確かに、資産価値6万円というのは嘘では無さそうですね……」

長靴「……いくらだったんすか?」

E「250万」

映画「やっす!」

E「最初500万で、不動産屋さんに『これ、500万じゃ誰も買わんですよ。半値なら買いますよハッハッハッ!』ってギャグこいたら、本当にその場で半値になった」

ファ「……男なら、後には引けんですね」

映画「田舎のディスカウントパナイ」

野球「うお~! 沢ガニだ! 沢ガニおるわ! 唐揚げだわ!!」

相変わらず統一感の無い一行。とにかく掃除をしないとどうしようもないので、各自行動開始です。

寄り添うことの容易と困難

これまた随分昔の話ですが、慶應の理工に行った卒業生の子と一緒にお酒飲んでたときに話していた話題です。誰もが一度は引っかかることでしょうが、ちょっとどこかで参考になるかと思いましたので、昔の記録を頼りに、少し形式(文章形式と時間)を変えて残しておきましょう。

因みに、不登校や引きこもりとは全く関係ありません。悪しからず。

 

 まあ、何だ。君の言いたいことも分からんでもないんだ。ただ、自分の出来ることに限界があると僕は理解してるし、多分現実的にそう。

 だから、彼女の抱える問題に対して、君が具体的に何かの解決策を提示する必要はないと思う。と言うか、そもそも論として、人間抱える状況は実に多様で、生育歴も好みも仕事も全て違う訳で、人が他人の課題に対する具体策を策定するなんて無理がないか?

 仮に助けになることがあったとしても、それは偶然の産物か、或いはそれっぽく聞こえるだけか、単に抱える問題から受けるダメージを緩和してあげているだけかも知れない。まあ、ダメージ緩和は確かに助けになってるかも知れんがね。

 言わんとしていることはだ、君の彼女に対する無力感は、君の能力とは直接的に関連がない。関数になってない。相関性が無いものについて、あれこれ言っても始まらんだろ? それとも何か? 君はそこまで自分が有能だとでも思っているのかね? しかし、それはおこがましいことではないかね? 神かね、君は?

 出来ないことは止めてしまえ。どうせ出来んのだ。第一、それは彼女の問題だろう? 仮に君らが結婚したとして、それでも所詮は他人ですぜ? 同一人物にはなれんのだ。同一性を志向するのは構わんが、それは彼女にとってもお荷物ではないかね、君が。手伝ってるつもりで、実は邪魔。天晴れなことだね。

 君が行うことは簡単だ。単に彼女の近くにいるだけでいいんだ。別に、アレコレ言う必要はない。とりあえず傍にいて、「うんうん、ほうほう」と言ってればいい。これ重要。

 僕を見てみろよ。前にも話したかも知れんが、これまでの彼女全てこっちから告白して付き合うけど、全部相手から振られてるのよ? 

 最初は情熱的に突っ込むけど、だんだん忙しくなって疎遠になるでしょ? で、あるとき、

「仕事と私とどっちが大切なの!?」

 何この複数回のテンプレ? 傍らで「うんうん、ほうほう」をやらなかった結果ですよ。まあ、僕が悪い。

 だからさ、とりあえずそこまで彼女の件で頭使うのやめてさ、とりあえず「いる」ことに徹せればいいじゃない。「いる」って、案外大切よ? 君は認識してないかも知れんけど。

 馬鹿の考え休むに似たり。いや、別に君を煽ってるわけじゃない。要らんことに頭を使うことの愚かしさを言ってるだけさ。頭にはHP(ヒットポイント)があってさ、使い続けてダメージ受けると、活動止まるでしょ? 使うところで使いなさいよ。

 

 ただ、難しい部分もある。「いつ」いるべきか? そして、自分の精神的・経済的余力だ。

 君だって、近く就職だろ? 現実論として、彼女にそんな時間割けんだろ? 必要なときに、君が物理的に動けない可能性もある。彼女が君にいて欲しいときに、君がいられないわけだ。

 同時に、社会人になると、大学以上に磨り減ることも多い。仮に君が彼女の傍らにいたとしても君自身が精神・経済両面で磨耗していては、「うんうん、ほうほう」も出来ない。余裕が無い者同士は容易に破綻するからね。余裕は資産ですよ。

 だから、余力を持った上で、その「いつ」を察するのは、高度な駆け引きだ。自分と社会(会社)との折り合い、自分と彼女との折り合い、そして、過去に蓄積された彼女の傾向。非常にプラクティカルな話だよ。まあ、奥さんの「気まぐれ」に振り回されて、ここ最近失敗続きの僕が言えたクチではないがね。

 君は、彼女にとって常時必要な存在ではない。べったり君の君は否定するかも知れんが、断言出来るね。概して、男はそういう扱いをされるものだが、これは男の宿命だ。お互い、甘んじて受け入れようじゃないか。この話だけで、高校生からご老人まで、年代不問の統合的男子会が出来る位だ。「亭主元気で留守がいい」なんて言葉もあるだろ?

 話を戻そう。つまり、君はピンポイントで「い」ないといけないんだ。そのピンがどこに来るか、そこに頭を使おうじゃないか。頭の使いどころは、つまりここなんだよ。お互いすべき義務があるんだから、馬鹿みたいに彼女のことを考えるんじゃない。それは本当の馬鹿のやることだ。続けてると、二人とも破綻しますぜ? HP切れでな。

 

 君が昔CARPEに来たとき、君は自分の問題を話していたね? 内面の問題。言うなれば、青年期の課題だ。サルトルだとか、キュルケゴールのエリアだろうかね?

 しかし、今の君は他人の問題を話している。外面の問題。中年期の課題、とでも言うのかね? 君はまだ若いが。

 これは大変素晴らしいことだ。内が固まり、それ故、外に挑める。これは、君が大きく成長した証拠であり、誇らしいことだ。自分に余力がある証左だ。絶対的な自信を持ってよいと思うね。

 ただ、これは全く別の世界の話だ。古典力学と量子力学位違う。司っている基本ルールが全く違う。似ている部分もあるが、本質は別と見てよい。

 君は今、自身の内面の問題に対処したのと同じ姿勢で、外面の問題、即ち彼女の問題に対処しようとしている。なるほど、彼女自身は内面の問題を抱えているかも知れんが、それは彼女のものだ。君のものではない。どんなに一緒に考えていたとしても、君は所詮外野なのだ。履き違えてはいけない。そこを履き違えるのは、至って無礼な話だ。無論、彼女に対してな。

 君は君自身の内面の問題をクリアし、成功体験を持っているが、それは最早何の役にも立たない。早々に捨て去り、新しい世界の法則を探求しなくてはならない。今僕が強く言いたいのはこの点だね。自分の過去にしがみ付くのは止めろってことさ。君の内面と、彼女の内面は全く別物なのだから。結局は、彼女に任せるしかない。ただの補助役に徹しろってことだ。その方が君も楽だろうに。

 

 まあ、これだけ言えば分かるだろ? 君は最初から彼女の問題を延々と話していたが、実のところ問題の要諦は君にあるんだよ。いや、彼女の問題に対して、君が悪いと言っているのではない。君がすべきことは、彼女とは別のところにあるってことだ。

 小林秀雄だったか誰だったか忘れたけど、「紛糾しているのは他人ではない。自分だ」とか何とかあったろ? 他者が介在している問題にしても、基本的には自分への課題として跳ね返ってくるのさ。これが分かれば利口。分からないのが馬鹿だ。

 そして、僕らはその自分に跳ね返ってきた課題さえ、全て満足することは出来ない。だから、他者を介在した問題の対処に失敗したとき、我に返ったように嘆くんじゃないかね。「自分がもっとしっかりしていれば」って。違うかね?

 彼女を自分がコントロール出来るだなんて思わないことだ。他人なんて、ほとんど得体の知れない自動操縦機能で動いていて、部分的理解がせいぜいだ。相手だってそう感じている。はっきり言えば、彼女も君にそこまでは期待していないさ。僕も奥さんに期待されてない。心配すんな。

 新しい立ち位置を持ちたまえよ。その立ち位置の法則を学びなさいな。そうすれば、君も彼女との関係に悩まず済むし、結果的には両者共に上手く行くだろうさ。居心地の良い過去の栄光を捨て、素寒貧で泥沼に突っ込んだ方が、人間成長するってことだね。泥沼には泥沼のルールがあるからね。

 因みに、こういった話は君だけじゃなくて、歴史の中で延々と繰り返されてきたテンプレバトルなんだよ。僕の親父もやってましたぜ、お袋相手に。少し前に実家帰って家族全員で集まったけど、今ではほとんど様式美の世界だよ、あれは。芸術と言っても過言ではない。まさに、「家族の肖像」だ。そしてまた、次の世代への受け継がれていく。立派なもんだ。

 そう考えると、少し気が楽にならんか? 君がここに存在している以上、君のご先祖も同じ戦いをしたわけだ。雲の上から、ご先祖全員(男のみ)が君を応援しているわけだ。これは大変心強い。

 まあ、何だ。君的には新しいネタかも知れんが、歴史的には古いネタってことだ。すべての道はローマに通ず。

 と、言うわけで、ここは一つ黙ってローマ流に従っておきましょうや。案外、それも悪くないで?

辛い立ち位置で生きている人達の参考に

書籍の提灯記事なのですが、参考になる人もいるはずですので、消えてしまう前に紹介を。

新卒で商社に入った僕に、いま伝えたい事

「キズキ共育塾」さんは、CARPEFIDEMの同業他社さんで、たまに私も面談に来られた方に紹介したりしています。記事の内容は、代表の安田さんのものです。

実際にお会いしたことはありませんが、なるほど、こういう経歴と考えで活動されていたのですね。見たところ、私とは全く正反対の生き方をされていたようですが、「自立」を基盤にされているところは、私も大賛成です。

因みに、同タイミングで以下の記事もありましたので、こちらも参考に。こちらも書籍の提灯記事ですが、話のネタになりますので、是非。

中退、引きこもり、貧困、発達障害…暗闇のなかの歩き方を支援する

ただ、一点だけネックがあるとすると、この話題はほぼ全て20代そこそこの若年層だけしかカバーされていない点でしょうか。

例えば、

>僕が経験者として、また、多くのひきこもりの若者たちと接してきて言えることは、彼らは決して「怠け者」ではないということだ。

の部分ですが、これはほぼ確実に違います。

引きこもり初期とか、不登校開始時は確かにそうなんですよ。大体が「怠け者」ではないですし、危機感も強い。しかし、胡乱な生活が続くうち、時間が人を完全な「怠け者」に変えてしまう。冷静に考えて、最初から怠け者とか人生急降下確定ですが、最大の敵は「時間」なんですな。

実際に見てみると分かりますが、長期化した引きこもりはかなりイイ感じに人格破綻していて、それの修正だけでお金も労力も飛ぶこと飛ぶこと。こうなったら、寧ろ放っておいた方が関係者全員のためだったりします。

記事に出てくるのは、まだ修正可能な若年層の話ですが、現実論が通用するうちに、生き方をきちんと変更出来る人は変更して欲しいですね。

結局のところ、どういう形であれ、個々人が精神的・経済的に自立することが最も重要なことだと思います。そういう意味では、非常に示唆に富んだ良い記事だと思います。

千葉合宿0日目

野球「Ecoさん、何すかその格好は?」

 当日の出発が6時と早いため、前日から事務所とマンションで泊まり込みになっているメンバーが、車を運んで来たタオルandジンベエ姿の私を見て笑っています。

E「君、失礼だな。都会のオシャンティーズと違って、これが農村部での正装なんだよ」

映画「でも、そのままの格好で東京に来なくても良いでしょ?」

野球「いつもはスーツなのに」

E「黙りたまえ。ジンベエor作務衣and頭にタオルが、今新しい」

 馬鹿話をしながら、明日の荷物をもう一台の車に運ぶべく、夜中の12時に一路豊洲へ。

野球「Ecoさん、見て下さい。ビルの合間に見える、あの赤い月!」

 高速を流れるネオンサインと、ビルの明かりを横目に、野球君が叫びます。

E「不吉な……。我々のこれからの旅路を暗示しているようじゃの。事故が無ければ良いが……」

 ジギング君の家の前で荷物を下ろして、野球君と「大学での彼女どうする」談義が終わると、素早く就寝。と言うか、この段階で3時間しか寝られないじゃないか。

E「明日は615分前に事務所集合な。到着したら、ボロ古民家の部屋を片付けて、ホームセンターで色々購入して、廃墟巡りの準備すっぺさ」

全員「うい~」

 と言うわけで、0日目はこれにて終了!

 

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