不登校・引きこもりからの大学進学塾

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別館教室の移転作業が大筋で終了しました。

急遽、というわけでもないのですが、教室の統合作業が大筋で完了し、何とか新年度からの授業に間に合う目処が立ちました。いや、やれやれです。バイトで手伝ってくれたベントレー君とこたつ君、何でしたっけ?君、どうもありがとう!

既にいくつかの私大試験は終了し、合格も複数出てきていますが、まだまだ早慶や国立大を受験する人達は気が抜けません。そこで、教室と自習室、レクリエーションルームを兼ねたフロアを事務所の上階に用意しました。設備面も一段階グレードアップし、利便性はかなり向上したと思います。

時間が取れ次第、写真での紹介も進めようと思います。ご期待下さい。

結婚相手の親族に、引きこもりという「負」動産がある場合の注意点1 ~失われる多額の財産~

引きこもりが家一軒食い潰すまでの過程を説明します。

「兄(英一郎さん)の関係(原因)で、縁談があっても全部消えた
(娘は)それで絶望して自殺しました

元農水事務次官長男殺害事件

 引きこもりという行為は、しばしば親族の未来をも殺します。

引きこもりが親族の婚姻に与える影響

 今回のテーマは私の本業ではないものの、電話やメール相談でたまにやって来る 引きこもり 関連の話題で、想定より要望が多かったもの、即ち「結婚相手に兄弟姉妹に引きこもりがいたら、どうしたら良いのか?」です。具体的な対策とは趣が異なりますが、ある程度構成がまとまってきましたので、参考までに掲載しておきます。(多少フィクションを入れています。)

相談事例1 20代後半 女性 首都圏広告系中小企業勤務

「来年結婚予定相手のお兄さんが、高校のときから不登校で、それから15年以上引きこもりらしいのですが、結婚は進めてしまって大丈夫なのでしょうか? 自分から見る限り、結婚相手の彼は普通の人なのですが、他に兄弟姉妹はいないようですし、相手の親が亡くなった後の親族は彼しかいないため、義理の兄の世話まで求められたりしたら嫌です。

 結婚後は子供を作る予定で話し合っていますし、私達の家庭も、子供達が大学卒業するまでは余裕があるとも思えません。今のところ、子供が小学生に上がるタイミングで家を購入する予定で、しばらくの間はその積み立てをすることになっています。私も、出産後は非正規で仕事をするつもりで話し合っています。

 彼の親御さんは、普段会う分には優しそうで、私のことも気遣って下さるので助かっているのですが、何故か会う度毎回レストランや料亭のようなところばかりで、彼の実家に行ったことが一度もありません。以前、その話を彼にしてみたのですが、何となく私を家に上げたくないような雰囲気です。

 自分の実家も普通の家庭でしたし、名家でも何でもない平凡な家族でしたが、兄と妹も今は社会人と大学生で、引きこもりの兄弟がいる家庭の様子が良く分かりません。彼の家庭に文句を言うのは筋違いかとも思うのですが、事情が分からないだけに、彼のお兄さんの件だけがどうしても引っかかってしまいます。

 彼のお兄さんが、私達の家族に関係してくるのだけは止めて欲しいと思います。近い親族は扶養義務があるとか聞いたこともありますし、お兄さんが私達家族に関与しないように言うべきなのでしょうか? 私の親も、彼のお兄さんの件だけは良く思っていないようですが、親族になるのですから、結婚するにあたって風波を立てたくないというのが本音で困っています。ご意見をお願いします」

相談に対する回答

 一般論ですが、長期高齢引きこもりが親族にいる場合の問題点を重要度(厄介度)の順にまとめますと、

1:相続や生活費等の経済的問題
2:家庭内・家庭外暴力の問題
3:当事者の世話に関する問題

となります。分量が多いため、何回かに分けて順に進めて行きましょう。

1:長期引きこもりが一人発生すると、戸建ての家が一軒消える

 概算ですが、一般的な家庭内で、引きこもり一人を養うのに最低限かかる年間費用は、かなり低めに見積もっても、

食費:2万円×12=24万円
光熱費:0,5万円×12=6万円
被服:0.4万円×12=4.8万円
通信費:0.5万円×12=6万円
雑費:1万円×12=12万円
国民年金:1.6万円×12=19.2万円(60歳まで)
健康保険:扶養に入るとして0万円とする。

合計:72万円

となります。仮に、20歳から80歳まで引きこもり続けたとすると、総額約4,000万円。十分に家が建つ計算になります。

 因みに、これは一般的な家計から見た本当に最低限の金額で、小遣いみたいなものは全く入れていませんし、怪我や病気もしない前提です。小遣いや怪我・病気の医薬品費等で月に数万円でもかかっていれば、全体の総額は5,000万円を超えても、特におかしい話ではありません。

 また、これは実家で親と同居している場合で、別居や施設利用などで住居費がかかる場合は、1億円以上かかると見て間違いないでしょう。1億円となると極端に感じるかも知れませんが、平均的なサラリーマンの生涯年収が2~3億円ですので、引きこもり当事者がそれを自力でカバー出来ないことを考えると、1億円でもそこまでおかしな話ではありません。身の回りのことさえ自分で出来ないケースが多いことを考えると、寧ろ安い位かも知れません。

 以上の例から分かるように、社会に出るつもりのない引きこもりがいるだけで、家計に対する圧迫は、最低でも家一軒分に相当します。

 仮にあなたがその「引きこもり持ち家庭」と親族関係になった場合、非常に良い状況でも、一般的な家庭と比較して、相続金額が家半軒分消えます。(ただ、一般に、長期引きこもりを許すような親の場合、引きこもり本人に甘めな見積もりをして、引きこもり側にお金を残そうとするので、実際の損失は一軒分になる可能性が高いです。)

 ただ、相続が減る程度なら、まだ可愛い方かも知れません。最悪のケースは、親の遺産を食い潰した後、義(両)親、義兄も合わせて、あなたの家族がまとめて面倒を見ることになる場合です。この場合、とてもではないですが、普通の家庭運営は不可能でしょう。

 経験則的には、引きこもり当事者の生命維持費用は親が出すことになっていますので、あなたの場合、義理の両親に該当する方々が支払うことになるでしょう。(現在も支払っていると思いますが。)彼等が存命の場合には、日々の生活費という形で支払われるでしょうし、他界された際には、相続によって資産の移転が行われる場合が多いと思います。

 問題なのは、その費用が不足する場合(義理のお父さんが退職されて余裕が無くなったり、相続金額が少ない場合等)です。その際の一般的な状況ですと、あなたの配偶者の方に順番が回ってきます。義理のお兄さん(引きこもり)の存命期間にもよりますが、施設の利用という可能性等を考えると、相続以降最低でも3,000万円の「持ち出し」は見ておいた方が良いと思います。金額が大きく見えるかも知れませんが、これは、引きこもり当事者は仕事をしていないため、まともな年金が無い、最悪の場合完全に無年金であることを念頭に入れているためです。

結論「結婚相手の親族に引きこもりがいると多額の金が飛ぶ」

 以上のような事情により、長期高齢引きこもりは、その年数が上がるほど、周囲の親族にとっての厄介な「金食い虫」になります。親が全てカバーしているうちはまだマシですが、親の死亡後の厄介度は容易に想像がつくでしょう。

 現行の長期高齢引きこもり世帯では、既に相続や生活費、医療費の負担を巡って親族間の金銭トラブルが発生し、長期高齢引きこもりの死を切実に願うといった話が少数ながら出始めており、今後確実に増加すると見込まれます。ただ、仮に死を願う親族がいたにしても、これは不謹慎な話でも何でもなく、寧ろ一般的な感情と見るのが妥当でしょう。長期高齢引きこもりが浪費する5,000万円近い金額は、

〇一般的な居住用住宅一軒とその維持費
〇子供三人分の平均的教育費(大学まで)
〇サラリーマンの平均的生涯年収の20~25%

に該当します。長期高齢引きこもりが一人いるだけで、普通に生活している周囲の親族がマイホームや大学進学の夢を諦めたり、生活を切り詰めたりしなくてはいけなくなる可能性がある訳です。

 結果、口には出さなくとも、「何もしないなら、頼むから死んでくれ」と内心で思っていても不思議ではありません。

 この種の話をすると、「人の死を願うとは何事か!」のような社会主義的理想論者の方々が常時一定数いらっしゃって、ときには「人の命の尊さとは!」のようなありがたいお題目を授けて下さるのでございますが、現実はそんなに甘いものでもないことを知って下さい。余裕が無いというのは、空想的(妄想的)理想論ではどうにもなりません。人は生きているだけでお金がかかりますし、それを自力で稼ぎ出せないなら、必ず誰かに迷惑をかけるのです。多少の迷惑はお互い様ですが、行きすぎた迷惑は、もはや犯罪と同義です。

 長期高齢引きこもりのもたらす経済的問題は、「日々の最低限の義務さえ果たさない」という微罪を繰り返した結果、親族関係者からさえ死刑要求が出るほどの重犯罪者扱いとなっている現状を、端的に表していると言えるでしょう。

合否の分かれ目2「勝負を投げないこと」

「追い詰められたときほど、その人の性質が良く出る」という話は、古文や漢文にも出てくる古いテーマですが、当然現在でも通用します。

 

ちょっと面白い話をしましょう。私の知り合いの経営者の方で、筑駒(筑波大附属駒場高校)出身の方が、飲み会の席でこんな話をされていたことがあります。

「自分、高校3年の夏まで、勉強はほとんど何もしてなかったですよ。当然、東大模試も全部E判定。と言うか、最後まで全部E判定(笑)。でも、本試はギリギリで東大受かりました。あんな無茶は、10代だから出来たんでしょうかね?」

受験指導をしていると、1年通して全ての模試でE判定の現役生が、最後の爆上げで合格する様子を何度も目にします。彼等の最後は壮絶で、12月以降は一日も休まず、勉強以外の全てをシャットアウトして生活していたりします。客観的に見ても模試はズタボロですから、状況的に悪い要素ばかりなのに、何故か猪突猛進。で、合格。

次に、彼と真逆の例を出しましょう。

「模試ですか? まあ、春のではB判定とかありましたけど、後はイマイチですね。夏以降はDとか。最近はEとかまで下がってきて、やる気しないです。やっても無駄って言うか。自分的にはやってるんですけどね。毎年、後半下がるんですよ。本試もダメな理由が分からない。今年もダメだと思います」

違いが分かるでしょうか? 前回の合否の分かれ目1でお話した、

「ダメだ……。全然成績上がってない……。これまでのやり方がおかしいのかも知れない……。自分のペースを取り戻そう。やり方を変えよう」

のタイプと全く同じであると気づければ、かなりカンが良いです。典型的な落ちるパターンですね。

 

今でも定期的に、

「Eさん。自分頭悪いんでダメっすよ。何やってもダメな気がします」

のような相談を受けるのですが、そのときの私の回答は決まっています。

「君が悪いのは頭じゃなくて、性格だよ。そのすぐに『ダメダメ』言いたがる、低品質で下品な性格。そこが問題。変えなさい、今すぐに」

よほどの上位層は話は別ですが、大半の場合で頭が悪いのは原因ではなく、結果論です。性格が歪んでいるから、地道な努力を『無駄無駄』言って遠ざけて、成績も下がる。質の低い性格こそ無能の原因であり、無能自体は寧ろ結果論です。無能という結果だけ見て「ダメダメ」言うのは自由ですが、まずは自分の歪んだ性格を何とかしろ、というわけで。

勝てる勝負を投げる人はいません。勝てない勝負でも投げない人は、立派な人格者です。では、勝ち負けの分からない勝負では?

と、言うわけで、限りなくブラックに近いグレーを制する人間がいかに優れているか、伝わりましたでしょうか?

「筑駒の人は、単に頭が良いだけだろ!」

とか思っちゃう人は、もうダメです、性格が。

優秀さとは、頭の回転だけではなく、性格にも宿ると思いますよ、個人的には。

スマホ版ウェブサイトで、猛烈に恥ずかしい間違いが……。

先日指摘されて初めて気付きました。CARPE・FIDEMのスマホ版サイトの会社名が、

「CAPRE・FIDEM」(カプレ・フィデム)

になっていました。正しくは、

「CARPE・FIDEM」(カルペ・フィデム)

です。ご指摘下さいましたM様、本当にありがとうございました。おかげで、3ヶ月ほど続いた恥が、平成30年1月29日付で止まるかも知れません?

 

ただでさえ、

「何て読むの?」(カルペ・フィデムです。)

とか

「読みにくい名前だな」(自分もそう思ってます。)

とか

「名付け親誰だよ?」(私の弟です。)

とか、色々と言われ続け、私自身電話口で「噛む」ことしばしばなのに、今回の件は痛恨の一撃ですな……。

まだまだどこかに間違いがあるかも知れませんが、お気づきの場合は、M様のようにご指摘頂けると助かります。

 

合否の分かれ目1「苦しいときほど、生活は変えないこと」

不登校や引きこもりの子向けと言うだけで、基本的にCARPE・FIDEMは塾です。そのため、受験に関しては、一般的な高校生や浪人生の子達と事情は変わりません。

ただ、この業種を15年近くもやっていると、経験則的に大筋の合否が事前に分かって来ることがあります。あくまで経験則ですが馬鹿に出来ない話ですので、思い当たる節のある人は参考にして下さい。

 

合否の分かれ目1 「11月以降に生活習慣を変える人は、試験で失敗しやすい」

毎年のことですが、この頃は重要な模試がドンドン帰ってきます。そのため、試験毎に一喜一憂が発生しがちなのですが、教える側は、その結果を見た上での一人一人の行動を地味に観察しています。

で、その観察の結論が、

「模試の成果がどうであれ、これまでの生活リズムを一定に保ち続けている人は、本試験も通りやすく、何かと理由をつけてリズムを変える人は、本試験で落ちやすい」

です。

よくある事例は、

「よっしゃ! 模試でA判定だわ! 俺秀才マジ天才! これなら多少授業サボっても平気やろ」

とか、

「ダメだ……。全然成績上がってない……。これまでのやり方がおかしいのかも知れない……。自分のペースを取り戻そう。やり方を変えよう」

とかでしょうか。経験則ですが、大体落ちます。

逆に、

「模試の結果は良かったけど、これからは皆勉強するから、偏差値は上がりにくい。これまでの形をキープしながら、速度を上げていこう」

とか、

「模試の結果は良くなかったけど、下手に我流に流すと、これまでの成果も消える可能性がある。まずは今の姿勢を守りながら、復習の量を増やしていこう」

等の場合は、大体大丈夫です。最初は不安定でも、成果は後から出てきます。

このような分岐が発生する理由は色々あると思いますが、個人的には、「追い詰められることで、その人の本質が浮かび上がって来ている」というのが実情だと考えています。「苦しいからサボろう」と考える人と、「苦しいけど頑張ろう」と考える人との違いと言えば分かりやすいでしょうか。当然、前者は落ちやすいですし、後者は受かりやすいです。

特に危険なのが、

「ダメだ……。全然成績上がってない……。これまでのやり方がおかしいのかも知れない……。自分のペースを取り戻そう。やり方を変えよう」

のタイプの人です。

この手のパターンの人は、大体がまず最初に「朝起きなくなり」ます。次に、「授業に来なくなり」ます。で、理由を聞くと、

「家で勉強してます」

「自習の方が効率が良い」

等がほぼ90%を占めますが、実際の家庭での状況を確認すると、親御さんからは、

「家では、寝てるかネット見てます。朝は起こしても起きてきません」

「たまに勉強しているようですが、集中しているようには見えません」

という回答が帰ってきます。要は、単に苦しいから怠けたいだけで、その理由付けに「自分のペース」「やり方を変える」という言葉を利用しているだけということでしょう。「ナンバーワンよりオンリーワン」みたいな、「もっともらしいけど、自分を甘やかしてくれる」甘い言葉にコロっとやられてしまうタイプにありがちな話です。

このタイプの厄介なところは、「自分は新しい方向性を模索しているんだ! サボっているのではないんだ!」という自己弁護を行い、「合法的に」サボろうと画策しているにもかかわらず、それを自分で意識出来ない点にあります。意識出来ないからこそ失敗するのですが、個人的には、ここが「馬鹿と利口の分水嶺」だと思っています。

賢い賢くないというのは、勉強の出来不出来よりも、このような自己観察能力にあるというのが、教育現場に身を置いてしみじみと実感したことです。自己観察に優れているから、結果的に成果も出る。自己観察に劣るから、成果も出ない。当然のことですが、普通はなかなか気付きにくいことです。

つまり、自己分析の観点からすれば、

「よっしゃ! 模試でA判定だわ! 俺秀才マジ天才! これなら多少授業サボっても平気やろ」

のタイプの方がよっぽど良い訳です。自分を偽ることなく、堂々とサボっているのですから。

 

詰るところ、理由なんてどうでも良いのです。決まった通りに行動出来ているなら、それはそれで正解です。行動出来ていないなら、どんな立派なお題目があろうとも、既に失敗なのです。中には、適当にやっても上手く行く人もいますが、その手の人は、「一を聞いて十を知る」の先天性エリートのみで、99%の人には無関係の話です。私達凡人は、誰が何を言おうと、この地道な努力からは逃れられないということです。

11月を過ぎたら、自分の「口」や「思考」を安易に信用するのは止めましょう。どんな理由があっても、「自分を甘やかす口実作り」になっています。唯一信用出来るのは、「行動」のみ。

朝は決まった時間に起きていますか? ⇒YES/NO

夜は決まった時間に寝ていますか? ⇒YES/NO

決められた宿題は終えましたか? ⇒YES/NO

決められた復習は終えましたか? ⇒YES/NO

結局は、これにしか価値は無いのです。当然の事実にいつ気付くかで、人生が全く別モノになることを是非実感して下さい。高々受験勉強程度でも、これ位のことは容易に学ぶことが出来ます。

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