通信制・定時制・チャレンジスクールからの難関大学進学

「学校の先生に、『ここ卒業しても、まともな仕事も進学先もないんでしょ?』
って聞いたんですよ。そしたら、『まあ、そうなんだけどね』って」
元定時制高校所属の高校生



 形式よりも、内容の方が重要な時代になりつつあります。

行ったときから「詰んで」いる

 不登校から立て直しを図り学習環境へ戻る際の第一歩は、定時制や通信制高校、或いはチャレンジスクールであることが一般的です。何事も、着実に前進出来るのは素晴らしいことで、このような選択を主体的に行える人は十分に将来性のある存在と言えます。

 ただ、中には懸念すべき困った話も存在してます。


それは、卒後の進路先が絶望的であるという現実です。

中学生のときにいじめに遭って不登校となり、家にこもる状態が続く。これではいけないと思い、やっとの思いで定時制や通信制高校に進学しても、基礎学力が全く無いので卒業したらまた引きこもり。社会に出ようとしても、ろくな仕事が無くてNEET確定。これは流石に問題です。

 中には、

「自分の通ってた学校は、卒業しても半分以上はNEETか引きこもりですし、進学した子も、いつかはNEET確定みたいな人生が普通ですよ?」

のような話もありましたが、これでは、何のために進学してるのか分かりません。

次のステップを考えているか?

 当事者本人にとって、不登校とは負担の重い現実です。それ故、不登校から定時制高校や通信制高校へと進めるだけでも大変な成果であり、周囲も絶賛すべき偉業と言って良いでしょう。

 しかし、不登校から抜けるとは海面から水面に上がった状態のことで、まだ飛び立ってはいません。


水面に上がるのは立派な行いですが、いつまでも飛び立つことを考えないでいると、また水面下に押し戻されることになります。

 不登校の状態があまりに酷かったがために、そこから抜けるだけで安心し切ってしまい、将来に対して思考停止してしまう子や親御さんを相当数見かけます。しかし、これは気持ちは分かるものの、長期的に見れば「自爆」としか言いようのない行為です。

「不登校から抜けたことは大変立派。でも、ある程度その生活に慣れてきたら、数年後の自立について考えないといけない」

そのように諭せる親御さんだったり、或いは、

「いつまでも親は生きているわけじゃない。学校に行けたのは良しとしても、次が無ければどうしようもない。そのために、今何をすべきなのかを考えなくてはいけない」

のように、現実判断の出来る子なら問題はありません。しかし、皆が皆そのような高レベルの判断が出来るわけではありません。そのため、



不登校→定時制・通信制高校・チャレンジスクール→NEET or 引きこもり

のような、意味の無い逆戻りを犯す家庭が少なくありません。これは全て、先々のことまで見通さなかったために発生した、「回避出来たはずの悲劇」です。

いつ、どのように動いたら良いのか?

 では、この悲劇を回避するためには、どのようにしたら良いのでしょうか? 


結論から言えば、早い段階から学力を養成しておき、卒後の段階で困らないように準備しておく位しか現実的には手がありません。

 現実論として、今の時代を生き抜くには、

1:誰もが目を見張るような特殊な才能がある

2:教育水準が十分に高い

の二択しかありませんが、普通の学生が実際に実現可能なのは2しかありません。ただでさえ大量の雇用を生み出す製造業が周辺国に流れ、国内産業の空洞化が進んでいるのですから、兵卒としてしか労働価値の無い教育水準の低い者は存在自体が不要とされつつあります。とするなら、彼らの卒後が引きこもりやNEET生活でしかないとしても、これは仕方の無いことでしょう。

 以上のような現実を踏まえて、これからどのような戦略が必要なのか考えてみましょう。

 まずは「時期」ですが、例えば


16歳の段階で普通に通信制・定時制高校へ進んだなら、高校二年、つまり17歳の段階で少しずつ動き始めるのが丁度良いでしょう。

進学先や現学力によっては、18歳では既に遅いことが多く、かと言って16歳で入学するなり卒業時のことを考えていては、学校生活も楽しめません。

 勿論、通常の高校生とは違う形で進学する予定なら10代から動く必要もありませんが、流れに乗って進みたいのなら早め早めの行動をお薦めします。

 次に注目すべきは、「学校の動向」です。これまで見てきた限り、


定時制・通信制・チャレンジスクールには、学生の進学に対して協力的な学校と非協力的な学校とに二分されます。

 協力的な学校では、難関大希望者向けに発展的内容を扱う授業を開講してくれたり、所謂「内職」を認めてくれたりしますが、非協力的な学校では、そもそも難関大を受験するための科目を学校で揃えられなかったり、内職を絶対に認めないなどの傾向があります。

 これは事実上、

「難関大進学なんて夢みたいなことは諦めろ。底辺大学へでも行っておけ」

と言っているようなものです。無論、底辺大学では、進学したにしても最初から未来など無いわけですから、賢い学生程ストレスを感じる傾向にあります。

 しかし、これについては一概に学校側を非難することは出来ません。


元々、定時制や通信制高校は、通常のカリキュラムでは進学の難しい子の受け皿となっていることが多く、上位の大学へ進学する子へのバックアップは前提となっていません。

学校側の対応が非協力的だとしても、それはやむを得ないでしょう。限られた制限の中で精一杯やっている先生もいらっしゃるのですから、無理強いをすることは出来ません。

 学校側が協力的ならば、それに便乗すれば良いですし、非協力的ならば、塾や予備校、家庭教師等を考える必要があります。では、それらを選ぶ前に気をつけなくてはいけない点は何でしょうか?

塾・予備校・家庭教師選びの注意点

 


ここで大切なのは、「現在の学力がどの程度あるのか?」です。

先に進むには、スタート地点を知ることが先決です。中学範囲の英語が全く分からないのに、高校範囲の英語が分かるはずありません。極めて自然な話です。

 中学範囲が出来ていないなら、不登校の学生の受け入れを前提としていない大手の予備校はほとんど意味がありません。中学生範囲を教えてくれる塾を探すか、ある程度経験のある家庭教師を雇うしかないでしょう。CARPE・FIDEMにおける経験則ですが、


経験のある教師と平均的能力のある学生ならば、一年もあれば、難関大進学が一般的な有名進学校のレベルにまで届くはずです。

 中学範囲は十分に出来ているものの、高校側が進学に非協力的で、高校範囲の基礎が全く出来ていない場合にも大手の予備校は少々きついです。


通常、大手の予備校は一般の高校の学生を対象としており、基礎力が皆無の学生を前提とするケースは多くありません。

例え通ったにしても、ほぼ100%挫折に終わるでしょう。そのため、「センター試験の問題が半分は解ける」など、最低限の学力は確保する必要があります。この場合も、塾や家庭教師が無難です。

 


逆に言えば、高校側が進学に協力的で、ある程度の学力が保持出来ているなら、大手の予備校を選ぶと良いでしょう。

その際には、既に普通の高校生と何ら変わり無い立ち位置にいるのですから、積極的に可能性を活用すべきです。

やるべきときに、やるべきことを

 以上のように、スタート地点を正確に把握した上で進学を考えてみると、随分違った生き方が見えてくるはずです。最低限、在学中にこの程度のことを知識として知っておくと良いでしょう。

 CARPE・FIDEMは、以上のようなことを知った上で再スタートを切った人々が集まるところですが、ここでなくとも、同じようなルートに乗って勉強を続けられれば、大体の問題はクリアすることが出来るでしょう。ルートそのものは確立されていますので、先人の真似をしてみるのも良いかと思います。



 「模倣から始めて、次に独創を」という手順で進めば、先はまだまだ広がっています。何をすべきか迷っている学生さんは、取りあえず騙されたと思って学んでみると良いでしょう。

「貯金」は、多いに越したことはありません。