不登校・引きこもりからの大学進学塾

教育業界は、結局のところドブ板産業である

業界は違うのですが、面白い記事が一つ。

「ウォルマートの西友売却に見る外資チェーンの勘違い」

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180820-00001027-shogyokai-bus_all

ウォルマート傘下の西友の店舗をいくつか見て、

「何かこの店気持ち悪いな・・・・・・」

と感じたのは十年以上前のことだったと思いますが、どうもそのフィーリングは正しかったようです。

店舗は大きいのに、何故か空虚で多様性の無い無機質な商品群に、生気を失った店員。当時は私も理由が分かりませんでしたが、なるほど、そういうことでしたか。

記事内の「小売業はローカルなもの」にもありましたが、結局のところ、生産性の高いトップダウン式の「1×n」モデルが通用する領域というのは、所謂エリート層が思うほどには広くなく、仮に広かったにしても、最終的に顧客に行き着くところの「ラストワンマイル」については、地味に人間臭い「n×n」という生産性の低いドブ板作業が待っている訳で、これを認識しなかった机上経営者の失策ということになるのでしょう。

 

アメリカでは、大学教育費用の高騰が大きな問題となっており、しばしば槍玉に挙がりますが、そもそも教育業界は単位労働者当たりの生産性は低いものです。理由は単純。学生の指導は「面倒」だから。個別に異なる事情を読み取り、問題を洗い出し、解決策を随時提示する。学業だけならまだしも、家庭問題に友人問題、場合によっては恋愛問題まで、解の無い話が延々続くわけです。生産性なんか上がるはずがない。真面目にやればやるだけ生産性が下がる、気の毒な業界です。まして、不登校や引きこもりなんて問題山積で生産性もダダ下がり。上がる要素の方が珍しい。

と言うわけで、教育業界で生産性を上げるために業界関係者が出来ることは、

1:授業料を上げる

2:学生の指導をいい加減にする

3:政府に働きかけて、補助金を出させる

の実質3つしかありません。

2は論外として、3を言うような劣化社会主義者は、もう今の時代には不要です。そんな暇があったら、黙って現場で働けと。日教組でもあるまいに。

となると、結局は1しかない。後は、卒後の期待値に望みを託してどこまで許容されるかの摺り合わせであり、アメリカの大学経営は、その点で過渡期に来ているのでしょう。テスラの混乱を見るに、アメリカのエリート教育も必ずしも期待出来るとは限らない部分も見え隠れしてきましたが、「現場百遍」の意味が分かるまでこの混乱も続くと思います。

アメリカの教育現場の混乱はこの当然の結果とも言えるのですが、そもそも生産性なんて期待出来ないものと考え直すのも一興かと思います。期待値も下げて、もう一度皆で貧乏教員と貧乏学生に帰ってみたりしてね。

 

「患者さんには、来たときよりも、幸せな気持ちで帰って貰う」

開業医をしている父親の口癖ですが、同じくドブ板業界にいる者からすれば、蓋し至言ですな。ドブ板を踏み抜き続けた結果が、ここには集約されています。

「お前、そんな儲からないこと、よくやるよな。もっとドンドン人任せにして、管理だけして楽しろよ。馬鹿じゃねえのか?」

高校時代の親友に、よく言われた話です。

「まあ、俺は実際頭悪いからな。ドブ板踏むような仕事しか出来ないんだ。無能な人間の辛いところだよ、君」

 

そんなドブ板続きの私も、部分的に人任せが必要になってきました。嫌な話ですが、これはこれで仕方の無いことなのかも知れません。しかし、私の仕事の根幹はドブにこそあると思いますし、ドブから離れて、小綺麗なオフィスで命令と判断だけを行う仕事も退屈なことでしょう。第一、それではウォルマートと同じことになってしまいます。

楽をしようという気持ちが首をもたげるとき、西友の無機質な店舗が、ふと頭をよぎります。

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