不登校・引きこもりからの大学進学塾

初等英語(中学生範囲)の重要性について

ここがCARPE・FIDEMになる前の話で、私が大学生のときのことですが、一緒に指導をしていた友人からこんな話が持ち込まれたことがあります。まだ私も指導経験が乏しく、「分からない理由が分からない」状態だったときの話です。

友「今後入って来た子、確か○○高校(都内の有名私立進学校)出身だよな?」

E「あ、うん。確かそうだったと」

友「英語は?」

E「いや、結構得意だったと聞いてるけど」

友「中学一年~中学二年の範囲が結構怪しいよ?」

E「え、本当に? どんなところで?」

友「『誰が普段からここに来てるんだっけ?』ってのと、『君は何年前にそこへ行ったの?』のやつ」

E「……確かに中二範囲やな。英作だよな?」

友「そう。でも、センター的には150近く取れてるから、今から中学までバックするのもなあ……」

E「希望先は東大含めた帝大系列のどこかだろ? センターは良いにしても、作文危ないのは、それこそ危ないと思う」

友「どうする?」

E「僕が本人に直接聞いてみるわ。ちょっと待ってて」

で、実際に本人に確認してみると、つまるところ、

「文法はぼんやりとしか勉強してないけど、単語は知ってるから、読解はフィーリングでやってる」

「フィーリング読解なので、文型解析必要な読解になると、急にスコアが落ちる」

「一定以上までは出来るけど、それ以上に点が上がらない」

「私大みたいなマークだけのところは良いけど、英作文とかが混合される国公立系はほぼダメ」

という、典型的な「一見すると出来てるように見えて、実はあまり出来てない系」のパターンでした。比較的真面目なものの、文法を体系的に学んだことのない子が陥る、あるある失敗例です。

因みに、この子はその後三ヶ月ほど、中学一年までバックして集中的に文法を説明しただけで、センターがほぼ毎回190以上、駿台全国でも偏差値70を下回ったことがありませんでしたので、ボトルネックが基礎文法にあったのは言うまでもないことでしょう。

 

この件をきっかけに(これだけではありませんが)、先に挙げた、

『誰が普段からここに来てるんだっけ?』

『君は何年前にそこへ行ったの?』

に加え、

『私は医者ですか?』

『ここはどこ? 私は誰?』

『3年前のことですが、ベルリンに行ったことがあります』

が、中学二年まで(厳密には、中学三年)の基礎英語を確認する際の指導項目になっています。全て中学二年までに学ぶ英語ですが、問題の趣旨は理解出来ますでしょうか?

この五問は一見簡単ですが、実際にやってみると必ず何かしら本質的なところでケチがつくテーマを持っています。難しめな国公立大や医学部・獣医学部を受験では、リスニングと英作文で致命的な差がつきますので、不登校とか関係無く、難関国公立大を受験予定の人は是非満点が欲しいところです。

 

事情は昔から変わりませんが、一般的に、東大を中心とする帝大系列の大学や、医学部・獣医学部等のように、教育水準の高い学生の集まる学部の試験には一定の傾向があり、

1:奇をてらった問題は出来なくて良いから、基礎をきちんと固めること。

2:知識自体も重要だが、それ以上に論理展開に強いこと。

の二点が特に大切とされています。この部分は、

1:やらせたいことは分かるけど、何か作問が中途半端。

2:論理展開以上に、謎知識を要求することが多い。

傾向にある、私大にも修正を期待したいですね。(特に慶應とか。)

CARPE・FIDEMもこの難関国公立大の傾向に合わせ、まずは徹底的に足場固めをして、後の成績が安定化するように注意して授業をしておりますが、今年は特にその対策が奏功し、基礎クラスにもかかわらず、既にセンター試験で7~8割近いスコアを出す子が出てきました。これは、高校二年生の段階でセンター試験がほぼ完成し、ラスト一年で2次試験対策を行うことの出来る、上位の中高一貫校と同じ流れです。

段階的に涼しくなり、学習面でもそろそろ収穫の季節です。勉強も作物も出来不出来気になる今日この頃ですが、成果を出すには何事も丁寧な「土作り」が大切になります。これまでの努力が試験にも出てくることを期待して、丁寧な収穫を心掛けようと思います。

不登校の医学部受験生における面接の重要性について~特殊な経歴故に必要とされる説明責任~

不登校等の訳あり医学部受験生は、面接を舐めてはダメです。

「二日目は想定通り、 不登校ネタで再面(接)でした。
ただ、圧迫もなく終始好意的で、寧ろ優しささえ感じました」

国公立大医学部へ進学した卒業生

 厳しそうに見える人達ほど、一生懸命生きている人には存外優しいものです。

不登校経験者における医学部面接の軽重具合

 大筋の経験則ですが、医学部の面接試験は、偏差値が上がるほどに扱いが軽くなります。言い換えると、高偏差大学ほど面接は形式的で、偏差値が下がるほど、面接を重要視する傾向にあります。推定では、高偏差値大学ほど研究重視の傾向にあり、ヒトよりモノを見る率が上がるためと言われています

 ただ、医学部の場合は学部が学部ですので、最低レベルの大学でも早慶理工系程度の学力は確保されており、どの大学であってもスッカラカンの頭での合格はまずあり得ません。基本的には、全て一律に高い学力水準にあると考えるのが自然であり、医学部内部での学力の上下は、医学部生間では関知し得ても、我々一般人の第三者視点では違いはほとんど分かりません。一律に「優秀」と見て差し支えないでしょう。

不登校経験者への問いかけ

 しかし、不登校経験者の場合、この「面接」が(場合によっては小論文も)少々シビアに機能します。例えば、一般的な18歳が受ける面接内容を簡単な具体例併記で見ると、

○どんな高校生活だったか?(過去の経歴に関する話題)
○医療のどの辺に関心があるか?(医師の資質に関する話題)
○ここ最近の事件で印象に残ったことは?(社会一般に関する話題)

の三種ですが、不登校経験者の場合、この「過去の経歴に関する話題」が、

○「何故、学校へ通わなかったのか?」
○「その間何をしていたのか?」
○「学校へ通わないで、本当に社会性は確保されているのか?」

という重いテーマへと切り替わります。

 実はこの対処が一番難しい。実際、CARPE・FIDEM卒業生で、現在医学部に在籍している子でも、成績開示したら「学科合格・面接不合格」と推定される例がいくつかありました。多数ではありませんが、確実に一定の影響があると見た方が良いでしょう。

 ただ、この状況をして、「不公平だ! 不当差別禁止!!」のように騒ぐのは愚かなことです。東京医大の件で明らかになったような、性別による差別は流石におかしな話ですが、不登校や引きこもりの場合には、その行為自体に何らかの不穏な空気があることは事実なわけで、アレコレ言い訳しても現実は変わりません。逆に、不登校の事情を知らない第三者にも丁寧に説明し、いかにして彼等の懸念を払拭するかが鍵となります。「不登校だからダメ」なのではなく、「状況をきちんと説明出来ず、面接官が不安に感じるからダメ」なのです。

 また、先程の例ではありませんが、面接や論文が原因で不合格になるケースは、まず間違い無く事前訓練を講じていません。確かに、訓練していて不合格の例もありますが、基本的にはレアケース、或いは、慶應や慈恵医大のように、大学自体の事前制限が厳しい場合に限ります。一見すると厳しそうに見える大学でも、受けたら受かったケースもありますし、逆に容易に見えても、事前準備をサボったせいで落ちたケースもあります。相対的な難易はあっても、パラメタとして最も機能するのは、「本人の説明能力」なのです。

(因みに、CARPE・FIDEMでは、この本人の説明能力を一年間かけて修養する講座があります。ご希望の方は以下を参考になさって下さい。)

参照:その他の補講講座 ◆医療系論文・面接対策講座概要◆

不登校云々よりも、常識人としての普通の誠意を

 大学の教授も人間ですし、十分に人生経験を積んだ立派な大人ですから、表面的な部分だけをさらって受験生を全否定するようなことはしません。「コイツ、ウチの大学入って変なトラブル起こさないだろうな?」とか「総合的に信頼出来る、優秀な人材に来て欲しい」が本音ですから、学生の側はそれを理解した上で、要求されている人物像に合うよう努力をしなくてはなりません。不登校経験者は、その準備を他の学生よりも丁寧に行わなくてはいけないだけ、と心得ましょう。

 従って、「面接なんて、どうせ形式だけだろ。ぶっつけ本番で適当にやっとけば大丈夫大丈夫」なんて浅はかな考えは、判断が甘いだけでなく、わざわざ時間を割いて試験をして下さっている先生方に対しても大変失礼な行為です。準備をサボるということは、それ自体が本人のいい加減な人間性を端的に表しているとも言えます。真剣勝負の場に相応しい対策が「一つのマナー」と思えれば、合格も近くになってきたと言えるでしょう。

 不登校や引きこもり経験者で医学部受験を行う皆さんは、是非この点を意識して対策を立てるようにしてみて下さい。医学部受験は、それ自体が社会へ繋がる事実上の就職面接でもありますので。

受験生的には、気分の暗くなる季節がやってきました。

 例年CARPEでは、6月と10月のタイミングで欠席が多くなったり、気分が落ち込んだりする子が増えます。幸い、今年の6月は何とか乗り越えましたが、後半戦の10月が近づいてきてそろそろ色々と危ない頃合いです。

 恐らく、季節の変わり目で気温が変わって体調を崩したり、雨や曇りが多くて日照時間が少なくなって陰鬱な気分になったりすることもあるでしょうが、10月はそれに加えて重要な模試が少しずつ増えてきます。大半の人にとって、明るくなる要素の方が少ないわけで、結果的に上記のような事情が発生するのでしょう。

 自分自身もそうですが、多少のトラブルは全く問題無くとも、連続で集中攻撃を食らうと、段々と気分も滅入ってきます。想定出来るトラブルもあれば、想像だにしなかったところから来る不意打ちのようなトラブルもあります。一発二発で倒れることはなくとも、百発受ければ倒れることもある。この辺は、誰であっても同じことだと思います。

 それ故、これからはダメージコントロールが大切になってきます。暗い出来事が増えても、それと同じ位明るい出来事があれば、状況は維持されますし、トラブルを乗り越えることも出来ます。

 同時に、自分なりにダメージを緩和する方法を見つけ出すことも大切になります。例えば、

○睡眠を十分に確保する(悲しみが増すのは、睡眠が足りないからだ理論)

○適度に運動をする(精神的な疲労は、肉体的に解決する理論)

○気分の上向く「気晴らし」を増やす(現実逃避は案外侮れない理論)

○敢えて全力でコトに当たる(勝てば、気分が暗くなるなんてあり得ないぜ理論)

等があるでしょうか。

 一番良くないのは、「暗い」という自分の感情をあるがままに流して放置することで、大体そのままにしておいて良いことはありません。「今ある感情こそ、自分のあるがままの姿。だから無理に変えないで、上向くのを待つ」という理屈も分からんでもないですが、

「気圧が下がったから元気が出ない」

「試験で失敗したから覇気が無い」

のように、きちんと因果関係が分かっているものもあるわけですから、その「因」の部分を潰す努力は積極的にすべきかと思います。努力で潰せる陰鬱なんてものは、そもそも本質的な悩みでも何でもありませんし。

 暗くなる出来事の多い季節は、自分の成長のタイミングでもあります。自分がどんな部分で元気を無くすのか知ることで、自分自身の弱点が浮き彫りになり、対策も立てやすくなるわけですから、ある意味一石二鳥。

 「禍福はあざなえる縄のごとし」という言葉もあります。暗いことばかり続くわけではありません。あるがままの「暗さ」に潰されるだけではなく、本当の自分自身の姿を知る良い機会と捉えてみると、案外10月も愉しく生活出来るかも知れませんね。

CARPE・FIDEM代表の大村さんは、「親戚に1人いると便利なおじさん」です。

少し前に入って来た10代の女の子が、

「大村さんって、親戚に1人いると、何かあったときに使える『便利なおじさん』だよね」

と、私の個人評を述べたことがありまして。これには、私も「なるほど!」と合点が行きました。

何の話か分からないかと思いますので、事情を説明しましょう。

私がCARPE・FIDEMの経営に関与して、前身も含めれば既に15年近くになり、人生の半分近くは不登校・引きこもり教育にかけたことになりますが、

大学生の家庭教師(塾講師)

20代の若手経営者

35歳の???(今ココ)

という形で、年齢の変化と共に、社会的定義も変化してきました。結果として、参加者の子達との立ち位置も変わってきています。

大学生時代は、彼等とは年齢の近い「友人」でした。それが、20代半ばを過ぎると、若干先の事を知っている「お兄さん」になります。しかし、30も半ばになると完璧な「おっさん」。10代の子達とは二倍近く歳が離れているわけで、既に細かな部分で若い子達の体力や変化には追いつけなくなっています。スマブラで毎回負けるし、スプラトゥーンの傾き操作が良くワカラナイ? 10歳離れた従兄弟とプロレスして肋骨にヒビ入るし、山の緑と川のせせらぎに心奪われるようになるしで、もうおじさんというよりは、老成した「おじいさん」になりつつあります。

結果、30代にもなって「お兄さん」役なんて主張したら、気持ち悪いことこの上なし。細君からも、

「品が無いから、変な若作りはしないように」

と釘を刺されております。と言うわけで、「お兄さん」の役目は、講師の卒業生の子達にお願いするわけです。

しかし、ここで、

「で、ワイの立ち位置は?」

と疑問が。

「寝てれば?」

とか、

「大村さん動くと邪魔なんで、その辺で座ってて下さい」

とか、

「担ぐ神輿は軽い方が良い」

とか言われて、存在意義が良く分らない。

「やばい! 『青年期の課題』ならぬ、『中年期の課題』発動か?」

とか、心密かに戦慄するわけです。

そこへ、この、

「大村さんって、親戚に1人いると、何かあったときに使える『便利なおじさん』だよね」

発言ですよ。こりゃあもう、すがるっきゃない。このビッグ自己定義に。

確かに思い返してみたら、私からは加齢臭と平行して、『便利なおじさん』臭がしておりました。

※「大村さん! 今度実家帰るんで、卒業生集めて飲み会しましょうよ!」

私「よし分かった! 支払いは任せとけ!」

※「大村さん! 今日は授業ダルいんでどこか行きましょうよ!」

私「よし分かった! 車出すんで、千葉の海に行こうか!」

※「大村さん! 込み入った話あるんで、口が滑らかになるような時間下さいよ!」

私「よし分かった! 授業終わったら、頂き物のワインを開けようか!」

確かに、これは便利ですわ。安心と信頼、納得の品質。

と言うわけで、今後も

「親戚に1人いると、何かあったときに使える『便利なおじさん』」

をモットーに運営して参りたいと思います。よろしくお願い致します。

うおーい、数年前の卒業生諸君。

前回と前々回に引き続き、今度はバーガーオフ君が追試終わって帰って来るってよ。医学部行った卒業生の皆様、彼がまた医学部ネタで何か企画するだろうから、そのときは来てやってくれい。僕はお金出すから、いつものように「ATM」。そう言えば、年末に山梨の合宿所で何かやるって話もあったね。今年は忙しいなあ……。

現在医学部希望の参加者の子達も、内部事情とか聞いてみると参考になるよ。前々回の飲み会で来たギルマス君に、前回の原付君とはまた違った話を聞けるだろうしね。大学が違うと、生活も違って来る。ギルマス君の大学は体育会系押しっぽいけど、バーガーオフ君のところはそうでもなさそうだし。もっとも、彼自身が激体育会系だけど。

特に、女の子で医学部希望の子は、先人の話は色々と使えるかも。以前も、現役の女医さんに来て貰って食事会したことあったけど、女性エリート層の生き方は、まだ確定的ルートというものが乏しい上に動きが速いから、先人の失敗成功は素早く取り込むことをお薦めしますわ。

ん? 乏しいと言うか、確定的ルートを設定するのも変か。各人の能力に合わせて人生を自由にカスタマイズ出来るのが、エリート層専門職の良いポイントだと思うので、見方によっては、流動性こそその資産かも知れない。となると、流動性を学ぶ、というのもアリかな。いや、そっちの方が寧ろ主流か。うん、多分そう。

まあ、卒業生の子達の動き見る限り元気そうだから、僕は静かに見守ることにしようかね。

ああ、そうだ。七階で朝までカラオケやるのは良いけど、終わったら片付けておいてくれよ。それと、終電逃してベッドで寝るのは構わないけど、翌日の昼まで寝るのは止めたまえ。授業来てる子達が昼寝出来なくて困ってるだろう? 僕も昼寝出来んし。マンションの設備も使ってくれて結構だが、使用したらどこかしら掃除をしておいてくれい。今度、マンションでハロウィンパーティをする提案が上がってて、事前に掃除するのは面倒なんだ。

使用者責任ということでね、一つヨロシク。

pagetop